花粉症:今年の花粉は?=花粉注意報①
☆★花粉の飛散時期がやってきました。初期療法が有効です★☆
バレンタインデーのこの時期は甘いチョコが飛び交いますが、あまり飛んで欲しくないものも、その飛散時期を迎えます。
お悩みの方にはとても苦しい【花粉症】の季節が始まってしまいます。
これから数回に分けて花粉症について、そのケアーやコンタクトレンズ装用時の注意などお話してゆこうと思います。
●花粉予想●
須恵中央眼科のある福岡県は九州北部に位置します。NPO花粉予防協会の花粉マップによるとヒノキ・スギの花粉飛散予測は【2月中旬】となっております。その量は昨年と同様規模、またはそれ以上の猛威と言われており、厳重な注意が必要となります。
●花粉症について●
花粉症とは体内に入った異物への体の過敏反応です。眼科に配布される冊子の画像を載せていきますので是非ご覧になってみて下さい。
●花粉症の症状●
・かゆみ
・充血
・涙目
などが特徴的です。くしゃみや鼻水も一緒に現れるので風邪と間違われやすいです。
花粉症は毎年増加傾向にあります。いままでもそうでなかった人もいきなり花粉症になることがあります。おかしいなと思ったら早期に眼科へご来院下さい。
●アレルギーは体の過敏反応●
花粉に反応して、体の免疫反応で(ヒスタミン)という物質が体内で放出されます。この物質がさまざまなアレルギー反応を体に引き起こすのです。
●花粉対策は初期療法が効果的●
初期療法とは花粉飛散前から点眼や内服を開始することです。これから暖かくなってくると、いっそう花粉の飛散が予想されます。その前にあらかじめ眼科で初期療法を受けることをお勧めいたします。
ケアについてや対策の続きは次の投稿で申し上げてまいりますのでそちらもご覧下さい。
☆★須恵町にも積雪が…★☆
寒い日が続きます。冷え込みにご注意下さい。
お年を召されている皆様は、特に風邪やインフルエンザにお気を付け下さい。
小さいお子様の間ではノロウイルスの流行も見受けられます。充分な手洗い・うがいでウイルス対策を行って下さい。
昨日1月17日(木)夕方からの低気圧の影響で福岡県糟屋郡須恵町も一面雪模様になりました。本日交通渋滞を避け早めに出勤し、近隣の雪景色を撮影致しました。
【福岡県ではあまりない症状…雪眼炎について】
福岡市内ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、積雪の多い地帯でよく起きる症状です。今回の積雪では大丈夫でしょうが、春先までで積雪がある時はご注意いただければと思います。
スキーや積雪、冬季登山などで、大量の紫外線にさらされたときに、通常6~10時間の潜伏期をおいて急激に羞明(しゅうめい=まぶしがること)や流涙、異物感、眼痛などをおこすものをいいます。
*雪盲、雪目とも言われております。雪面から反射した紫外線が結膜や角膜に障害を起こします。自覚症状のほか、球結膜の浮腫や強い充血、瀰漫(びまん)性表層角膜炎(diffuse superficial keratitis)などが認められるようです。
冬は紫外線量が少なくても、晴天の雪面の反射は強烈です。長時間浴びると、当日の晩に激しい目の痛みに襲われることもあるので注意が必要です。
●紫外線をカットするサングラスをかける
●長時間の屋外活動をできるだけ控え、こまめに休憩をするなどの対策でご対応下さい。
紫外線は目の健康には深くかかわりがあります。
紫外線は春先から増え始め、5月から9月頃まで多い状態が続きます。
紫外線の多くは眼球表面の角膜で吸収されますが、角膜を通過した紫外線はレンズの役割を担う水晶体でほぼ吸収されます。
水晶体を通過した残りの1~2%は網膜まで到達します。
紫外線による眼への影響は、今回ご紹介の雪眼炎の他にもさまざまなものが考えられています。寒さも厳しくなるこの時期は、眼にもご注意下さい。
あけましておめでとうございます
☆★☆★今年も宜しくお願い致します☆★☆★
2013年も1月4日金曜日より通常診察が始まり、新しい年がスタートいたしました。
新しい1年も気を引き締め、患者様のご信頼をさらにいただけるよう、診察・手術・コンタクト、眼鏡の処方などに研鑚を積んでまいります。
本年も宜しくお願い致します。
初日の出を機内から見ました。福岡市上空の雲海から…。新年のスタートを特別な思いで迎えました。
理念は眼科を開設してからほぼ変更がありません。これが院長自らの開設の理由だからです。
小さい眼科であっても、全員で心の通った医療を心がけてゆく為に、更に本年の使命があると思います。
2013年の使命(MISSION)を達成する為、
●患者様と同じ目線に立った診療システムの充実
…お年寄りから、お子様まで、どんな方が来院されても、同じ立場となり、その患者さんの症状の治療をできるだけスムーズにできるよう、診療のシステムを更に向上させてゆきます。
●患者さん一人一人とよく話し合い、最良の医療を提案するコミュニケーションの向上
…患っていらっしゃる患者様の状態をご理解申し上げ、その訴えに対しての最良の治療方針のご提案ができるように、問診内容、検査内容を明確、かつ精密度の向上を致します。
●最新の医学知識の研鑚、最新医療技術の継続導入
…眼科の疾患の最新事情、新薬、新しい診療情報に関していつも研鑚を積んでまいります。また、眼科の検査や手術機械は日進月歩。きちんとアップデートされた先端技術の導入を行います。
●医療の透明性、安全性の更なる確保
…希望者へのカルテの開示、医療相談、診療項目のご説明、お薬のご説明など、【何故必要?】【どうしてこうなるのか?】というご不明点が無くなるように、丁寧なご説明を行います。また診察、レーザー治療、そしてもっとも重要な白内障手術に関しての安全性の精度を向上します。
●WEBやSNSによる継続的な情報公開
…「眼科の内部や、医院の考えなどを、院外から確認することがまだまだ難しい」とのご意見が、保険医療施設ではよく耳にします。この点に関しても当院では専用眼科ホームページやFACEBOOK PAGEを媒体として、より当院のムードや取り組みをご理解頂けるよう、更新回数をアップさせ、よりタイムリーな情報発信を行ってまいります。
本年も引き続いて【あなただけの眼科】となれるよう、皆様の目の健康に貢献を続けてまいります。
須恵中央眼科を宜しくお願い申し上げます。
ドライアイについて
★☆ドライアイとはどういう病気でしょう☆★
須恵中央眼科には目を患った方がたくさんいらっしゃいますが、【目が乾く】【目が痛い】などでご来院される方が多くなってきております。コンタクトレンズの装用をされている方の中でも、この症状を持たれる方を多く見受けます。
この場合、ドライアイという状況が推測されます。
ドライアイとは涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態を指すものです。
●ドライアイの分類(タイプ)
・涙液分泌減少型;中高年女性に多い
・涙液蒸発過多型;全世代に多い
最近の研究により、涙が十分出ている人でもドライアイである可能性があることがわかってきました。それは、目が乾いていないタイプのドライアイ:「BUT短縮型ドライアイ」と言われています。パソコンなどの作業をすることが多いオフィスワーカーやコンタクトレンズをつけている比較的若い方の間では、男女問わずこの新しいタイプの「BUT短縮型ドライアイ」になる患者様が増えています。
現代はパソコンや携帯電話も含め【目を酷使する時代】と言えますが、この副産物としてドライアイが増加していると言えるでしょう。
■涙の産生と排出
涙は【涙腺】という眼の上にある組織で作られ、まばたきすることで目の表面に行き渡ります。ほとんどは目頭にある「涙点」という小さい穴から鼻の奥に排出され、一部は目の表面から蒸発します。
■ドライアイの症状
目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、慢性の不快感がでます。視力の低下も起こります。
■ドライアイによる目の障害
涙は目の表面を潤すだけでなく、角膜や結膜の細胞に栄養を供給しています。ドライアイになると目の表面の細胞にキズができやすくなり、ほおっておくと【きちんと見えなくて困る】という不快感がずっと続いてしまいます。
おかしいかな?と思われましたら、すぐに適切な処置を行うことをお勧めいたします。
例)ドライアイになっている眼赤、黄に染色されているところが障害されている細胞となります。
■ドライアイはどういう人に起こりやすい?
(1)年齢
年を重ねると、涙の分泌量や質が低下して起こりやすくなります。
(2)性別
女性の方が男性よりドライアイになりやすいことが知られています。
(3)過度のVDT(visual display terminals)作業
パソコンなど、モニターを見つめる作業を長時間行うことで、ドライアイが起こりやすくなります。
(4)乾燥した環境
冬の乾燥した季節になる。
とドライアイが悪化する人が多く見られます。
エアコンの吹き出し口に当たるところに長時間いると症状が悪化することがあります。
(5)コンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズ装用者では、ドライアイの割合が多いことが知られています。
(6)喫煙
たばこの煙に目がさられると、涙の状態が悪くなることが知られています。
(7)内服薬
血圧を下げる薬や精神疾患薬など「抗コリン作用」がある薬には、涙の分泌量を減少させるものがあります。
(8)点眼薬
点眼薬の中には、涙の安定性を低下させ角膜に障害を与えやすくなる成分が含まれているものがあります。また点眼薬の中に含まれる防腐剤などによる障害でも起こりやすくなります。
(9)全身の病気に伴うもの
シューグレン症候群という涙腺や唾液線に対する自己免疫疾患では、強いドライアイを生じることがしばしばみられます。
■ドライアイの検査
涙の量を調べる検査としては「シルマー試験」というものが一般的です。ろ紙をまぶたのふちに挟み、5分間でどのくらいの長さが濡れるかを調べる検査です。目の表面の状態を調べるには、フルオレセインという黄色の染色液を少量点眼し、スリットランプで観察します。傷があるとその部分が染まって見えます。また、同じ染色体で涙の安定性を調べる検査(涙腺層破壊時間:BUT検査)も行います。まばたきをしないで目を開けたまま、涙の層がどのくらいの時間で乱れるかを調べる検査です。いずれの検査も外来で行ない、比較的短時間で終わります。強い痛みなどは感じません。
■ドライアイの治療
(1)点眼薬
症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で緩和させることができます。人口涙液、ヒアルロン酸製剤などが用いられます。
(2)涙点プラグ
涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療を行うこともあります。プラグの大きさや材質など、いろいろなものが開発されています。
(3)悪化要因の除去
長時間のVDT作業や運転では、まばたきの回数が減るのでドライアイ症状を悪化させます。適度の休みを取ることが目の健康に重要です。また涙の状態を悪くさせる内服薬やコンタクトレンズの装用を減らすことも一つの手です。
(4)その他
目の保湿を補助するために加湿器を用いたり、エアコンの設定を変えるなども有効です。メガネの周りに覆いを付けることで、目の周りの湿度を上げることも有効です。
★ドライアイの可能性をセルフチェックしてみましょう★
ドライアイではなくとも、例えば眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていないと、眼が疲れやすく感じます。次のチェックリストでドライアイの可能性をチェックしてみましょう。
次の症状のうち、あてはまる項目にチェックをつけてください。ただし年に1、2年程度の症状はあてはまりませんが、経度でも長期間にわたって現れる症状にはチェックをつけてください。
1眼が疲れやすい
2めやにが出る
3眼がごろごろする
4重たい感じがする
5眼が乾いた感じがする
6何となく目に不快感がある
7目が痛い
8涙が出る
9ものがかすんで見える
10眼がかゆい
11光を見るとまぶしい
12眼が赤い
チェックが5つ以上ならドライアイの可能性があります。さらに10秒以上眼を開けていられない、まばたきの回数が多いなら(40回/1分以上)その可能性がさらに高いといえるでしょう。
■おわりに
ドライアイは失明などの重篤な結果をもたらすことは少ない病気ですが、慢性的な目の不快感や疲れを感じたら、眼科を受診するようにしましょう。
*日本眼科学会ホームページ等より抜枠、加筆を行っております。
白内障手術の準備は細心の注意で…
★☆手術室より -白内障手術準備- ☆★
福岡県粕屋郡須恵町の須恵中央眼科では毎週水曜日の午後に日帰り白内障手術を行っております。
毎週白内障手術を受ける患者様のため、オペ室スタッフは万全の体制で準備をしています。
日帰り白内障手術の時間的は、おおむね20分前後です。可能な限りスムーズに手術を行うため、その準備には細心の注意が必要です。
●飛躍的に安全となった白内障手術●
日帰り白内障手術はこの20年で、見間違えるほど手技が向上し、医療機器も発達しました。
以前は【入院】【痛みの多い麻酔】【まだまだ未発達の医療器具】など、本当に大変な手術でした。
またそれに伴う【術後の合併症】の発生もまだ高く、厳しい環境で手術をしなければならない状況でした。
♦下記の写真は20年前に最も多く使用されていた超音波乳化吸引装置の一つです。
この医療器具は濁って白内障となった眼内の【水晶体】を微細な波長で砕枠し、吸引除去するものです。この機器が一般化する前は、白内障になった水晶体の摘出は大きく12mm程のキズ口を開け、そのままの形で摘出する方法しかありませんでした。(現在は約3mmのキズ口です)
♦下記の写真は現在当院で導入しております最新の超音波乳化吸引装置です。
現在の最新技術を搭載した当院で稼働中の機器です。設計はスリムでコンパクトになり、使用する超音波は、アナログからデジタルでの発振となり、人間では制御・コントロールできないレベルでその微細な発振を管理するようになりました。
*2msec(1000分の2秒)での発振を管理するテクノロジーにより、従来の機器よりも手術部位を【低温】【静寂】に保ちやすくするものです。これにより手術によるダメージを抑え、翌日には【快適】な視力を得ることが更に可能となりました。
●日帰り白内障手術でも、細心の注意が必要な合併症●
=感染性術後眼内炎=
このような医療機器の発達が現在の日帰り白内障手術を支えておりますが、それでも手術にはあってはならないトラブルが付いて回ります。
その代表的なものが【術後感染症】です。
日帰りの白内障手術は、国内で最も普及している外科手術の一つとなりました。
安全かつ早期に視力回復を実現し、国民のQuality of lifeの向上に大きく寄与しております。
しかし、いかに予防策を講じても、術後感染症の発症を完全に制御することは困難です。今でも非常に少ない頻度ながら術後眼内炎が発症しております。時には重篤な視機能障害を生じる症例もあります。
♦感染性術後眼内炎となってしまわれた患者様の状態です。♦
●感染性術後眼内炎の原因とは?●
手術の創から細菌や真菌(病原性カビ)が侵入して発症するものです。手術直後から発症する場合と数か月から数年を経てから発症するものまでさまざまです。
発生頻度としてはきわめて稀(まれ)ですが、菌の毒性が強い場合や発見が遅れた場合は、重篤な視機能障害を残すことがあります。最悪の場合、失明することもあります。
●感染性術後眼内炎の発生頻度=当院では開院以来発生【0件】=●
現在、わが国における白内障術後眼内炎の発症率は約0.05%(約2,000件に1件程)です。幸いなことに、須恵中央眼科では開設以降12年間、白内障の【術後感染症】は1件もありません。
これからも患者様に【安心】・【安全】に手術を受けていただくため、手術室内の清潔区域の管理を徹底するよう、毎日真剣に取り組んでまいります。きちんと滅菌、消毒、洗浄を行い、いつでも【安心】・【安全】な手術環境をつくることが我々の重要な責務だと思っております。
冬のはやり目、何故はやる?
★☆冬に流行?はやり目に再度御注意ください。☆★
秋から冬であっても【はやり目】の患者様がご来院されます。須恵町に限らず、近隣の篠栗町、志免町、宇美町などさまざまな場所からです。だいぶ離れた東区や古賀市などからもいらっしゃるので、少し驚いております。
この状況について少し考えてみました。
須恵中央眼科にある福岡県粕屋郡の須恵町は静かな町です。
しかし近年、大型のショップモールができています。このショッパーズモールには、福岡県内・外より、たくさんの方がショッピングにきています。
週末となるとたくさんの催しが開催され、楽しい場所となっています。
しかし、たくさんの人が集まる場所となると当然ウイルスなどの拡散が考えられます。
昨今のはやり目の流行もその影響によるものなのでしょうか?
【はやり目】これはウイルス性の「流行性角結膜炎」です。前回も夏にブログでご紹介いたしましたが、【とても感染力の強い】ウイルスにより、人から人へと拡散し、蔓延(まんえん)していきます。感染の経路は【接触感染です。】
はやり目の人が、涙や目やにのついた手で触ったドアノブや自動販売機のボタン、手すりなどを知らずに触ってしまい、その手を洗わずに自分の目を触ると感染するというイメージです。
人がたくさん集まる場所では、その拡散も大きくならざるを得ません。小さな商店街やスーパーだけがあった須恵町も、大型ショッピングモールや映画館ができると、感染が広がりやすくなるとも言えます。しっかりとした感染への知識と適切な予防が必要となります。
●はやり目の症状
【充血してかゆい】【目やにがひどい】【目が痛くぶつぶつが赤目にある】
●治療と注意【はやり目】には【特効薬】がありません。かかってしまったら基本的には自分の抵抗力で治るしかありませんが、点眼により症状を軽くしたり、患う期間を短くすることはできます。医師の指示で点眼薬での対症療法を続けましょう。
感染を増やさないように、ハンカチやタオルは別に管理することも大事です。周りの人はよく手を洗うことが必要です。
●はやり目は【目の病気ではインフルエンザのようなもの】
しっかりとした予防を行う点では、冬に猛威をふるうインフルエンザと同じです。
きちんとした手洗いを行い、感染への注意を怠らぬようご注意下さい。
*前回投稿のはやり目関連の記事はこちらをクリックください。
ほおっておくと本当に危ない!糖尿病と目の病気について
☆★☆★ほおっておくと本当に危ない!糖尿病と目の関係☆★☆★
左目の視力低下と飛蚊症*注1)の症状があるということで、50代後半の女性の患者さんが糟屋郡志免町より須恵中央眼科を受診されました。
*注1)目の前を黒い虫のようなものが飛ぶように見える症状
視力検査では矯正視力でも左目は0.15しかありませんでした。
眼底検査をすると、とても厳しい眼底出血が両方の目に起きていることが分かりました。
すぐに糖尿病による眼底出血だと考え、患者さんにいくつか質問をしました。
・のどの渇きやおしっこが近くないですか
・急に体重が減っていませんか
糖尿病でよくある症状がなかったかお聞きしましたが、そのような自覚症状はないようでした。
残念ながらその後に行った血液検査の結果により、糖尿病であることがほぼ決定的になりました。
2日後に造影検査を行い、糖尿病網膜症の確定診断をして、早速レーザー治療を行いました。
*左側が健康な状態の眼底画像。
*右側は進行してしまった糖尿病性網膜症の眼底、赤い斑点は出血です。また毛細血管が詰まり、周囲の組織が酸素不足となり網膜に浮腫(水ぶくれ)が起こり、綿花のような白斑も現れます。
この患者様には、すぐに内科にかかるようにお話しして糖尿病専門の内科の先生をご紹介しました。
恐ろしいことに糖尿病が原因で失明する人は、医療が発達した現代でもたくさんいらっしゃるのです。
●糖尿病患者の人口や予備軍の推移について●
全国の統計によると糖尿病の総患者数は約237万人もいらっしゃいます。
また糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない「予備軍」も合わせると、2210万人と推計されています。糖尿病が疑われる人は10年前と比べ約1.3倍に増え、増加傾向にあります。
*厚生労働省 平成23年(2011)人口動態統計(確定数)の概況により参照致しました。
糖尿病の三大合併症のひとつである【糖尿病網膜症】もこれと同じように増加の傾向にあります。
約3,000人もの方が毎年失明を招いており、中途失明の上位を占めています。
また失明には至らなくとも、視覚障害により多くの患者さんが日常生活に支障をきたしています。
*日本で失明される原因の割合です。以前は緑内障より高く国内失明原因の1位でしたが、その後の医療の発展により低くなったものの、まだ上位を占めております。(dm-netより参照)
糖尿病網膜症は初期は自覚症状に乏しく、症状が現れた時はすでに手遅れということが原因の一つです。
幸い今回ご来院された患者様は、きちんとした治療を行えば失明する可能性は低いと分かりましたが、あと半年受診が遅れたら両眼とも失明していたかもしれないと思います。
この患者さんのように、糖尿病は血液検査や検尿などの検査を受けなければわからないケースが多いため、注意が必要です。
また糖尿病と診断され一度も眼科にかかったことがない方や、しばらく眼底検査を受けていない方は是非眼科で眼底検査を受けて下さい。
前述したとおり、糖尿病網膜症は自覚症状に乏しい病気です。
見え方に問題がないからと言って、大丈夫とは言えないのです。
*眼底検査の時の注意です*
眼底検査では、瞳孔を開く目薬を使って眼底がよく見える状態で検査をします。
検査のあとは4時間くらい眩しかったりピントが合いにくくなりますので、自転車やバイクの運転は危険です。ご自分で運転しての来院はお控えください。
*薬で瞳を開く(散瞳)する前と後です。元に戻る迄に4時間程かかります。
レーザーによる糖尿病性網膜症の診断、治療に特に力を入れています。
OCT(光干渉断層計)という網膜を詳しく調べる画期的な器械やパターンレーザーは地域で須恵中央眼科だけが導入しています。
このレーザーを使うと、人によっては治療時に感じる痛みがほとんどなく、レーザー治療を短期間で終わらせる事ができます。
治療に伴う痛みや通院の負担を大幅に軽減することができ、患者さんからも好評をいただいてます。
*地域初導入*
“PrecisionSpotTM レーザー照射”技術搭載眼科用レーザー光凝固装置PASCAL Streamline *TOPCON社製
どんな病気でも早めの治療が大事ですが、糖尿病網膜症こそ、それが当てはまる病気もありません。
糖尿病による目の合併症を最小限に抑えるためにも、早い時期での受診をお勧めいたします。
視力トレーニングよく頑張りました♪
★☆視力トレーニングを頑張られたお子様へご褒美を…☆★
-お子様の視力トレーニングを応援していますー
学校の視力測定で【学校生活に支障がある】と言われて眼科へこられるお子様が、この夏もたくさんいらっしゃいました。
前回もご説明しましたように、お子様の視力は視力トレーニングをすると、裸眼視力の向上が期待できることが多くあります。
須恵中央眼科では、検査をしたうえで対象となるお子様には医療用の承認を受けた機器を使う視力トレーニングを勧めています。
●視力トレーニングの内容●
機器をのぞくと見える画像を5分間程そのまま見てもらうものです。これにより、目のピントを合わせる力(=調整力といいます)を戻して裸眼視力(=眼鏡をかけないときの視力)を回復させます。
♦須恵中央眼科では視力トレーニングを頑張ったお子様を表彰しております♦
視力トレーニングの回数は、週に1回、合計4-6回前後となっております。
この夏も視力トレーニングを頑張った結果、裸眼視力の向上がみられるケースがたくさんありました。
実際は判定でC区分やD区分となってしまったお子様であっても、学業に差し支えが無いほどの裸眼視力までの回復をすることがありました。
●学校での視力測定の区分●
区分A 視力1.0以上
区分B 視力0.9-0.7
区分C 視力0.6-0.3
区分D 視力0.3未満
*現在の視力測定法は平成4年(1992年)の文部省(現文部科学省)体育局長通知によるものです。
5分程度の時間でも、遊び盛りのお子様がずっと画像を見続けることは大変なものだと思います。
そこで、トレーニングを頑張ることができたお子様へ【よく頑張りました賞】として粗品をお渡しし、その努力を表彰することにしております。
お子様も喜ばれて、またやる気も出るはずです。
下の写真はその表彰と粗品の贈呈を記念して、その瞬間を撮影したものです。
●お子様の視力の回復は可能でしょうか?●
急に近視が進んで視力が落ちるお子様の多くは、近くにピントがあったまま、目が緊張している状態もあります。
こういった状態を【調節緊張症】といいます。この中にいわゆる【仮性近視】と呼ばれるものが含まれます。
ですから、学校健診で視力が落ちたとわかっても、直ぐに眼鏡やコンタクトをする必要がない場合もあります。
近視の状態によっては、視力トレーニングによる裸眼視力の回復が期待できます。
まずは眼科を受診下さい。
須恵中央眼科には、須恵町に限らず糟屋郡の色々な地域からお子様がご来院されます。
最初は黒板の字が見にくかったお子様がトレーニングをした後に、「黒板の字が見やすくなった」と喜んでお帰りになる姿をみると、いつも嬉しい気持ちになります。
お子様の視力でお悩みの親御様は、是非お子様とご一緒に須恵中央眼科へお越し下さい。
お子様の大事な目の治療方針について、丁寧にお話しいたします。
みえかたいろいろ…眼圧検査
●眼圧ってなんだろう●
眼科を受診されると、「眼圧を測りましょう」と言われることがあります。
須恵中央眼科では、20歳以上の初診の患者様には必ず視力検査と眼圧の検査をおこなっています。
眼圧をいつも意識されている方はいないと思います。
人間の眼は、正常な大きさや、丸い形を維持するために内側から圧力【眼圧】がかかっています。
目の内部にかかっている圧力なので、目に見えるものではありません。
しかしこの圧力が大きく変動すると、さまざまな支障がでてくることもあるため注意が必要です。
●眼圧の正常値・異常値●
人種によっても眼圧は違うと言われています。近年の大規模な調査(多治見スタディ)によると、日本人の眼圧の平均値は14.5mmHgほどであることがわかりました。
ばらつきの程度(標準偏差が2.5mmHg)を考えると、正常の眼圧は10~20mmHgとなります。
眼精疲労やその他の要因によって眼圧が少し変動することは珍しくありません。
1日に眼圧が5mmHg前後変動しているのが一般的です。(眼圧の日内変動と言います)
●代表的な眼圧計について●
眼圧の測定には直接角膜に機器を当てて測定する【接触式】と、目に空気を当ててその変動を測定する【非接触式】の二つがあります。
♦接触式眼圧計
ゴールドマン圧平眼圧計
細隙灯顕微鏡に眼圧計がついています。
角膜に色素をつけ、そこに眼圧計を密着させて測定します。
現在、最も多く行われている検査方法です。
患者さんは検査台にあごをのせ、点眼麻酔をして行います。
♦非接触式眼圧計
ノンコンタクト トノメーター(Non Contact Tonometer)
圧搾空気を吹きつけ、角膜のへこみ具合から眼圧を測定する方法です。
器具が目に直接触れることはないので、麻酔はしないで検査ができます。
30秒もあれば行える簡単な検査です。
定期健診や人間ドックでもよく行われている検査方法です。
●眼圧が正常範囲内でも注意が必要です●
緑内障は我が国における失明原因の第1位を占めています。
特に40歳以上になると、【約25人に1人】の割合でこの病気になっている方がいると言われています。
この緑内障のタイプの中に、【正常眼圧緑内障】というものがあります。
このタイプは眼圧が正常範囲内でも視神経の障害が進んでいくというものです。
日本人はこの正常眼圧緑内障の割合が海外に比べて高いといわれており、研究結果からも緑内障の過半数がこのタイプであったことが分かっています。
そのため、眼圧の検査と一緒に網膜や血管や視神経乳頭の異常を調べる【眼圧検査】も定期的に受けることをお勧めします。
♦緑内障は早期発見が大事♦
緑内症急性発作の症状です。角膜が濁り青っぽくみえます。
現代医学でも失明から救えない、きわめて難治性の緑内障が存在することも事実です。
しかし一般に、早期発見・早期治療によって失明の危険性は減らすことができますので、定期検診で早期の発見をすることがとても重要となるのです。
自覚症状が初期では感じにくい病気でもあります。
是非定期検診を行っていただき、早期発見を心掛けて下さい。
手術の翌日は朝から緊張と喜びの時。
☆★外来受付から☆★
須恵中央眼科では日帰り白内障手術を毎週水曜日の午後に行っております。
外来で【白内障】と診断されると患者様の進行具合を定期的に診察し、白内障が進行し生活に支障が出てきたら、患者様と話し合い手術時期を決めます。
今回もまた、手術をされた方が【見えるようになってうれしい】とおっしゃってお帰りになられました。
*患者様のプライバシーの為、お顔の一部を保護しております
♦白内障の治療は薬でできる?♦
白内障とは水晶体が老齢化などの原因で濁ってくる疾病です。
現在のところ、進行した白内障を治す薬は残念ながらありません。
唯一進行を遅らせる効果が期待できる薬があるだけです。
これはピノレキシンという(薬剤名:カタリン、カリーユニなど)という薬です。
白内障初期で水晶体の濁りも軽く、視力に影響がない場合に処方されます。
♦白内障は進行性が多い♦
前述のとおり、白内障の原因は主に老齢化によるものです。
患者様によってその進行具合は千差万別ですが、進行するものが多いです。
症状が進行してくると下記の症状が出やすくなります。
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●視力が低下する
●光を見た時に以上にまぶしく感じる
(夜の車の運転時、対向車のヘッドライトがとてもまぶしい)
------------------------------
診察で手術が必要と診断されると、【水晶体再建術】という手術をすることになります。
♦手術は終わった翌日からがとても重要♦
白内障の手術は手術主義の改良や手術機器の発達により、約15分ほどで安全に終了までに発展してきております。20年ほど前までは、約1週間程の入院をするのが一般的でしたが、現代では日帰り手術で安全に行えるようになりました。
当院では開業当初より白内障手術は日帰り手術で行っております。
手術直前の一晩だけは眼帯を付けていただきますが、翌日の朝にその眼帯を外します。
この瞬間が患者様にとっても、我々スタッフにとっても喜びの瞬間となります。
それだけ手術日の翌朝、患者様をお迎えするときは通常以上に緊張の一瞬となります。
そして【見える!】という患者様の嬉しい言葉を聞くと【光を取り戻して頂いた】と心から感動し、嬉しく思うのです。
手術翌日以降は一定の期間、さらに注意が必要です。検査や診察はもちろんのこと、目薬の指し方や、術後の生活指導を通し、慎重に手術後の目の管理を進めてゆきます。
・傷口が感染しないか?
・視力が安定するか?
・患者様はきちんと目薬をさせるか
このような【術後管理】も当院が手術の安全性と共に大事にしているところです。
術後管理がきちんとできない場合、キズ口からばい菌が入ったりして感染症を起こすことがあります。
せっかく光を取り戻していただいても、感染症が起きてしまえば元も子もありません。
それだけに定期的な受診がとても重要になるのです。
スタッフは患者様の来院スケジュールをきちんと管理し、受診が滞ることの無いよう配慮していきます。
当院で手術をされた患者様が、問題なく光ある喜びを実感し続けていただけるように、今後も細心の注意で臨みたく思います。
当院では白内障手術にスタッフ一同、充実したチームワークで取り組んでいます。
実際は手術する院長を始め、介助スタッフ、病室で患者さんを処置する看護師、受付スタッフ全員が同じ気持ちで動くことを目標としております。
その目標とは、【患者様がリラックスして手術をスムーズに受けられ、最良の結果を手に入れていただくこと。当院で手術を受けてよかったと手術日以降も思っていただけること】これに尽きます。
そのためスタッフ一同、患者様お一人お一人を自分の家族のように思い、【おもてなしの心】を持って患者様にさせて頂きたいと思います。
最近、見え方が悪くなった、暗い場所でよく見えない、目が眩しい…などの自覚がある場合は、白内障かもしれません。ぜひ当院へお気軽にお越しいただき、検査だけでも受けてみて下さい。