★☆手術室より -白内障手術準備- ☆★
福岡県粕屋郡須恵町の須恵中央眼科では毎週水曜日の午後に日帰り白内障手術を行っております。
毎週白内障手術を受ける患者様のため、オペ室スタッフは万全の体制で準備をしています。
日帰り白内障手術の時間的は、おおむね20分前後です。可能な限りスムーズに手術を行うため、その準備には細心の注意が必要です。
●飛躍的に安全となった白内障手術●
日帰り白内障手術はこの20年で、見間違えるほど手技が向上し、医療機器も発達しました。
以前は【入院】【痛みの多い麻酔】【まだまだ未発達の医療器具】など、本当に大変な手術でした。
またそれに伴う【術後の合併症】の発生もまだ高く、厳しい環境で手術をしなければならない状況でした。
♦下記の写真は20年前に最も多く使用されていた超音波乳化吸引装置の一つです。
この医療器具は濁って白内障となった眼内の【水晶体】を微細な波長で砕枠し、吸引除去するものです。この機器が一般化する前は、白内障になった水晶体の摘出は大きく12mm程のキズ口を開け、そのままの形で摘出する方法しかありませんでした。(現在は約3mmのキズ口です)
♦下記の写真は現在当院で導入しております最新の超音波乳化吸引装置です。
現在の最新技術を搭載した当院で稼働中の機器です。設計はスリムでコンパクトになり、使用する超音波は、アナログからデジタルでの発振となり、人間では制御・コントロールできないレベルでその微細な発振を管理するようになりました。
*2msec(1000分の2秒)での発振を管理するテクノロジーにより、従来の機器よりも手術部位を【低温】【静寂】に保ちやすくするものです。これにより手術によるダメージを抑え、翌日には【快適】な視力を得ることが更に可能となりました。
●日帰り白内障手術でも、細心の注意が必要な合併症●
=感染性術後眼内炎=
このような医療機器の発達が現在の日帰り白内障手術を支えておりますが、それでも手術にはあってはならないトラブルが付いて回ります。
その代表的なものが【術後感染症】です。
日帰りの白内障手術は、国内で最も普及している外科手術の一つとなりました。
安全かつ早期に視力回復を実現し、国民のQuality of lifeの向上に大きく寄与しております。
しかし、いかに予防策を講じても、術後感染症の発症を完全に制御することは困難です。今でも非常に少ない頻度ながら術後眼内炎が発症しております。時には重篤な視機能障害を生じる症例もあります。
♦感染性術後眼内炎となってしまわれた患者様の状態です。♦
●感染性術後眼内炎の原因とは?●
手術の創から細菌や真菌(病原性カビ)が侵入して発症するものです。手術直後から発症する場合と数か月から数年を経てから発症するものまでさまざまです。
発生頻度としてはきわめて稀(まれ)ですが、菌の毒性が強い場合や発見が遅れた場合は、重篤な視機能障害を残すことがあります。最悪の場合、失明することもあります。
●感染性術後眼内炎の発生頻度=当院では開院以来発生【0件】=●
現在、わが国における白内障術後眼内炎の発症率は約0.05%(約2,000件に1件程)です。幸いなことに、須恵中央眼科では開設以降12年間、白内障の【術後感染症】は1件もありません。
これからも患者様に【安心】・【安全】に手術を受けていただくため、手術室内の清潔区域の管理を徹底するよう、毎日真剣に取り組んでまいります。きちんと滅菌、消毒、洗浄を行い、いつでも【安心】・【安全】な手術環境をつくることが我々の重要な責務だと思っております。